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Lantern Parade [JAPAN]


夏の一部始終

夏の一部始終

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ROSE RECORDS
  • 発売日: 2011/11/21
  • メディア: CD



  久しぶりの投稿です。

  最近は、日本のインディーズ・シーンばかり聴いていますが、そのなかには 50 を
過ぎた自分にもしっくりくる音楽が多く、最近の 20 代は凄いなあと感心させられています。

  その中でも秀逸なのが、京都を中心に活動している「ランタン・パレード」です。 
彼らはかなり多くのアルバムを発表しているようですが、今日ご紹介するのは 2011 年の
作品。 僕が買った彼らのアルバムとしては 3 枚目になるものです。

  「ランタン・パレード」は清水民尋を中心とするユニットで、アルバムによってはほぼ
彼一人の打ちこみサウンドのものが多いようです。  ですが、今日とりあげた「夏の一部
始終」はバンド編成によるもので、このバンドの静かなアンサンブルとともに、心に染み
いる SSW サウンドが堪能できる傑作となっています。

  バンドのメンバーは、清水民尋(Vocal & Guitar)、光永 渉 (Drums)、曽我部
恵一 (Bass & Chorus)、横山裕章 (Piano)、高田陽平 (Percussion) という
編成。 曽我部恵一以外はどんな活動をしてきたミュージシャンなのかはわかり
ませんが、この5人がかなり奇跡的なサウンドを作り出しています。

  とりわけ、横山裕章のピアノと高田陽平のパーカッションが秀逸で、このアルバム
の色あいを作りだしています。 淡くてせつない、朴訥としながらも意志の強さを感じる
清水民尋のボーカルとの相性は聴く人のこころをつかんで離さないことでしょう。

   ♪ 誰かが人生に幻滅する、どこかで人生に幻滅する ♪ といった青臭い歌詞
がすっと心にはいってくる『誰かが世界に』は、まるで1970年代かのような風情を感じ
させますが、そこにないのが古い畳のカビ臭さ。 やさぐれたりせずに淡々と歌われ
る背景に、ボサノバ風なアレンジや流麗な演奏があるので、懐かしさと新鮮な思いが
同居したような気分にさせられます。

   ♪ 夢が見れない。今やるべきことを、ただやるだけ ♪ と歌う『夏の一部始終』
は、歌詞だけ見ると人の背中を押す応援ソングのようで、ふだんの自分ならば吐き気
を催すのですが、そうならないのです。 ここでは、自分自身に言い聞かせるだけの
ために書かれた内省的なメモを燃やす前に朗読しているかのように思えて、妙に聴き
入ってしまいました。 ひょっとして自分のなかに埋没していた何か大事なものをこっ
そりと掘り起こされてしまったかのような錯覚を覚えるのです。

   そんな素晴らしいアルバムですが、残念なのは、ややボーカルが不安定で
それが魅力とはわかっているものの、低音の部分をもう少し丁寧に録音しておいて
ほしかったなあと感じる部分が数か所あることです。 しかし、そんなことすら創作者
の意図かもしれませんし、リスナーが文句を言う場面ではないことも承知しています。

   このあと、「ランタン・パレード」はこの「夏の一部始終」の続編的な内容の
アルバムを2015年に発表しますが、それこそが奇跡的な最高傑作となりました。
   近日中にここで取り上げたいと思っています。




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