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Lantern Parade [JAPAN]

  
魔法がとけたあと

魔法がとけたあと

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ROSE RECORDS
  • 発売日: 2015/12/09
  • メディア: CD



  前回取り上げた、ランタン・パレードの最新作にして、最高傑作。 そして近年の
日本の音楽シーンのなかでも、傑出したクオリティのアルバムです。

  ジャケットを見れば、前作の延長線上にあることは容易に想像できますが、自分
は最初にこちらから入ったので、このアルバムの瑞々しい鮮度も含め、この「魔法が
とけたあと」の方にどうしても気持ちが入ってしまいます。

  2015年5月13日にレコーディングされたこのアルバム。バンドのメンバーも前作
と同様で、清水民尋(Vocal & Guitar)、光永渉 (Drums)、曽我部恵一 (Bass)、横山
裕章 (Piano)、高田陽平 (Percussion) の5人。 

  サウンドの指向は「夏の一部始終」をそのまま踏襲していますが、今作は曲の
メロディーセンスが前作をはるかに凌駕し、さらに歌詞の世界観や独特の表現も
切れ味を増したことから、個々の楽曲の完成度が奇跡的ともいえるレベルに達して
います。 

  なかでも「救いようがない」、「もしかしたら今も」、「たったひとつの朝」、「水たま
りは空の色」といった楽曲は、ランタン・パレードにしか描くことのできない不安や
希望、悲しみや喜びが、微妙な配分で混ざり合っていて、リスナーの心の奥底を
じんわりとつかみ取っていくことでしょう。

  ベストソングは「時のかおり」でしょう。 正直言って、この楽曲のすばらしさを
表現するすべが自分にはありません。 流麗なピアノに導かれ始まるこの曲は、
今世紀の日本の音楽シーンのなかでも指折りの出来映えです。 何も言うことは
ありません。

  最後に、このアルバムを知るきっかけをお話しします。

  昨年、自分が一番多く聴いたと思うのが、cero というバンドの「Obscure Ride」
というアルバムです。 めでたく、MUSIC MAGAZINE でも年間1位になっていまし
たが、まったく異論はありません。

  その cero が深夜に Inter FM で「ナイト・ドリフター」という番組を持っていて、そこ
でメンバーのひとりが紹介してくれたのです。 残念ながら番組は今年の春に終わって
しまったのですが、こういう巡りあわせは素晴らしいことですね。 メンバーのうち誰が
紹介したのかは覚えていませんが、そんなふとした奇跡が、自分の人生を少しずつ
変えていくのだなあと、しみじみ感じています。




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