Sigur Ros [ICELAND]
かなり孤高の存在となってきたシガー・ロスの久しぶりの新作です。 前作もこの
ブログで取り上げていますが、その日にちは2008年8月13日でした。 あれから、もう
4年も経過しているわけですね。
前作の「残響」は、彼らのポジションをより強固なものにした傑作ですし、そのクオリティ
は僕の周りにいる音楽ファンならば誰にでも推薦できる内容でした。 アルバムの始まり方
には、はっとさせられるアイディアもあって、一気に聴き進むことができました。
では、この新作はというと、一言で言うと、「もの静か」です。 昔のシガー・ロスを聴いて
いないので、彼らのキャリアのなかでの立ち位置は語れませんが、少なくとも前作よりは
「地味」です。 水しぶきが木の葉から落ちた瞬間に光に反射するようなきらめきのような
ものは感じません。 ちょっと前に出た「Jonsi & Alex」に近いかなと思ったりしますが、
そうでもないような。
ふと、ヒーリングサロンとかのBGMを最高級なものに入れ替えるとしたら、このアルバム
がいいのでは、と思ってしまいました。 足裏をマッサージしてもらいながら、聴いたら最高
でしょうね。 あの安っぽいシンセのサウンドでは、まったく癒されませんから。
そう考えると、宗教的な匂いもしなくはないです。 何か新しい光に導かれて、ゆっくり
と進んでいくような、そんなアルバムです。
リズムがほとんど排除されていることもあって、このアルバムを発表した後での彼らの
ライブはいったいどんなものになるのか全く想像できません。 僕は少なくとも、座って聴き
たいです。 もしくは、プラネタリウムのなかとか...
なんて雑感を並べてみましたが、買って後悔は全くしていません。 彼らの素晴らしさ
は、サウンドだけでなく、アルバムのデザインにもあるからです。 遠くに浮かんでいる船
を映した今回のジャケットは手にとりたくなるようなもの。 紙の素材の質感も含めて、
作品トータルの重要な要素となっていると思います。 もし、あなたがカフェやサロンを営ん
でいるのであれば、持っていて損はないと思います。
2012-06-07 16:46
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