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Seapony [USA]


Go With Me

Go With Me

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Hardly Art
  • 発売日: 2011/05/31
  • メディア: CD


  こういうジャケットに弱いんですよね。 そして、タワレコ渋谷店の試聴器に手が伸びて、
1 曲目の 10 秒で購入決定。 試聴器というのは雰囲気を確認するものであって、アー
ティストの全貌を把握するものではないと思っているので、いつもすぐにヘッドホンを外し
ています。
  ま、そういう個人的なポリシーはさておき、本当にずるいなあ~、と思いながら、すで
にレジへ直行したのです。

  雰囲気は、イギリスの Sarah Label のアーティストが持つ雰囲気をそのまま、甘酸っ
ぱく引きずっているのですが、彼らはアメリカ・シアトルのバンドのようです。 詳しいプロ
フィールを書いている日本語サイトが見当たらないので、よくわかりませんが、最近のシア
トル周辺は本当に面白いですね。

  アルバムは HMV 渋谷が昔の位置のあった頃の「渋谷系」サウンドに近いもので、
強引な表現をすれば、フリッパーズ・ギターのファーストに、The Felt の憂いを加え、舌た
らずの女の子に歌わせたようなものです。 サーフっぽかったり、日本の GS 風になったり
しますが、このボーカルは、クロディーヌ・ロンジェや佐々木麻実子に通じるアンニュイ
(おっと死語??)なものです。 おそらく、もっと近い女性ボーカルとかいると思うのです
が、すぐに思いつきません。 そのあたりは、今後出てくるであろうネットでの書き込みや
雑誌のレビューを参考にされることをお薦めします。

  全 12 曲で 34 分くらいのアルバムですが、これから初夏へと向かう砂浜にぴったり
なアルバムだと思います。 いっしょに聴く女性には是非ともワンピースを着てもらいたい、
と妄想してしまいます。 そんなごく一部の男性にはたまらない作品です。


Sara Bareilles [USA]


カレイドスコープ・ハート

カレイドスコープ・ハート

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2011/02/23
  • メディア: CD


  サラ・バレリスは西海岸の UCLA 出身のシンガーソングライター。 昨年発表された
このアルバムがセカンドとなります。 アメリカではビルボードのチャート1位を獲得するなど
人気があるようですが、日本での知名度はそれほど高くはないようです。
  彼女のサウンドは、大きく分けるとピアノ系SSWですが、全般的に春の日差しのように
暖かく、お花畑を散歩しているようなカラフルな雰囲気に満たされています。 大学時代に
アカペラ・コーラス部に所属していたということもあり、ボーカルも伸びやかで声量も十分に
備えています。 そういった意味ではなかなか弱点がみつからないタイプのミュージシャン
だと思います。 ただ耳の肥えたリスナーの方には、そういった万能性イコール個性の欠如
と評価されかねません。 しかし、このアルバムは聴けば聴くほど、楽曲のよさが伝わって
きて、そういったネガティブな評価はされないことでしょう。 「Hold My Heart」のような
スケール感あふれるバラードは、彼女の魅力を十分に引き出していますし、「Say You're
Sorry」のような可愛らしいミディアムもそつなく歌いこなします。 やはり晴れた日中によく
似合うアルバムだなあと再認識しました。 雨の日と夜ではないなあ、と。

  さて、ここまで書いてきて白状しますと、昨日彼女のライブに行ってきました。 初来日
ということでしたが、予想通りのパフォーマンスに満足の一日となりました。 彼女だけで
なく、バックバンドの余裕ある演奏とコーラスは、久しぶりにアコースティックな手触りを
感じさせるものでした。

  ライブが終わってからオフをとる彼女は、ボランティア活動のために震災で被害の大き
かった大船渡に向かうそうです。 しかも、1週間も活動するとのこと。 その気持ちと行動
力には尊敬の念すら抱いてしまいます。 サラ・バレリスのそうした活動は、今後の創作
活動にいい影響を与え、次の作品に反映されてくることでしょう。 感謝をこめて期待したい
ものです。

Fleet Foxes [USA]


ヘルプレスネス・ブルーズ [初回スペシャル・プライス盤] [日本盤のみ歌詞/対訳、解説付]

ヘルプレスネス・ブルーズ [初回スペシャル・プライス盤] [日本盤のみ歌詞/対訳、解説付]

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Traffic/Pヴァイン・レコード
  • 発売日: 2011/04/27
  • メディア: CD


   今年になって発売されたアルバムのなかでは、最も多くの人が期待に胸を
ふくらませていたに違いないFleet Foxes のアルバムです。 たった一枚のアル
バムで「アメリカの至宝」とまで言わしめた彼らのサウンドは、たしかに独特で
時代に左右されない普遍性を有しています。 それだけに、このセカンドはCD
ショップでも大展開されており、国内盤が先行発売ということで、僕も国内盤を
買いました。

  彼らのサウンドの特徴は、土俗的とも言えるようなアコースティックな世界の
なかを木霊のように響きぬけるボーカル&コーラスです。 奥行きを感じさせる
エコー感は彼らの真骨頂でもあり、他を寄せ付けない個性へとつながっています。

  さて、そのセカンドは当然のように期待が大きかっただけに、真剣に聴きまし
たが、期待を大きく上回るような意外性はありませんでした。 ボーカル部分が前作
より多くを占めているように感じましたが、たしかな確信は持てていません。
いろんなレビューが彼らの音楽を評していますが、個人的に思い出したのは、
何とイタリアン・プログレの1973年のオザンナの大名盤「パレポリ」です。 
  「パレポリ」のような呪術性やオカルトっぽさは、Fleet Foxes には無いものの
、アコースティックな音色の手触りやたたずまいには、類似点があるように思い
ました。 このサイトの読者には、オザンナの経験者は少ないと思いますが、
もし機会があれば一生に一度の大スペクタクルなので、味わってみてください。

  話がそれましたが、シアトル出身の彼らのライブはどんな感じなのでしょうか。
もし来日するとしたら、屋外でのライブが見たいですね。 森の香りと焚き火が
交じり合った夕暮れに聴きたい音楽です。 今年を代表するアルバムのひとつ
でもありますが、彼らがアメリカの音楽シーンのなかで最重要なバンドであること
は間違い有りません。

参考までに。


パレポリ(紙ジャケット仕様)

パレポリ(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ディスク・ユニオン
  • 発売日: 2004/05/28
  • メディア: CD



Randy Edelman [USA]


The Pacific Flow To Abbey Road

The Pacific Flow To Abbey Road

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: CHERRY RED
  • 発売日: 2011/03/14
  • メディア: CD


   SSW としての Randy Edelman が戻ってきました。 彼が映画音楽の世界に
転進して20年以上経過しますが、突然、今年になって彼のオリジナル作品がリリース
されたのです。
   前作の「Switch Of The Seasons」は1985年の作品ですから、実に 26 年ぶり
に彼のボーカルがよみがえったことになります。 よく考えてみると CD の時代になって
から、初めてのボーカル作品となるわけですね。 ここまで封印していた理由も分かり
ませんし、突然、歌うことを再開した理由もわかりませんが、Randy Edelman ファン
としては、こんなに嬉しいニュースはありません。

  ジャケット・デザインが良くないなあというのが第一印象ですが、内容はマイルドで
メロウなピアノ・ナンバーで占められています。 ボーカルもやや年をとったという印象
は否めませんが、予想以上に歌えていると感じました。
  「If I Could Do That」、そして「Don't Forsake Me Now」と、冒頭のバラードの
美しさはさすがプロフェッショナルという出来映え。 全般的にリリカルなピアノや
アップテンポの曲はありませんが、落ち着きのあるミディアム系の楽曲が 12 曲連
なっているという印象です。「Surefire Plan」なんかは、「Prime Cuts」に入っていても
おかしくない仕上がりでした。 突き抜けるような爽やかさが感じられないのは、
タイトル通りこのアルバムがイギリス録音だということも影響しているかもしれません。
また、奥さんの Jackie de Shannon は本作では参加していませんでした。
  
  Randy Edelman の新作がネオアコで有名な「Cherry Red」からリリースされるとは
夢にも思いませんでしたが、彼の SSW としての復活が本作だけなのか、それとも次作
もありうるのかが気になりますね。 そして、本当の夢はピアノ弾き語りでかまわないの
で、来日コンサートの実現です。  名曲「Uptown Uptempo Woman」の流麗なピアノ
の調べが生で聴けたらと妄想すると、体が震えてしまいます。



Peter Broderick [USA]

   以前とりあげた「Home」というアルバムが秀逸な傑作だった Peter Broderick
の最新ソロ・アルバム。 「Home」では、ギターやバイオリンなど多彩な楽器をこな
していましたが、この「How They Are」は、ピアノ主体の弾き語りアルバムとなって
いました。

  ソルフェージュのようなシンプルな繰り返しが多いピアノの音色は、透明感があり
ながらも、その響きは小さな教会のなかで聴いているような残響感もあります。 それ
でいて、つややかさも感じたりするとことが不思議です。 いっぽうギターの曲は
しっとりとしたときのWilliam Ackerman のようです。 そう、このサウンドはかつて
流行したWindham Hill の伝統を受け継ぎ、より私小説的な世界に逃げ込んだもの
と言ってもいいでしょう。 つぶやくようなボーカル、淡々と進行する演奏、時間が流れ
ているのに止まったような錯覚に陥る瞬間。 そういったものがこのアルバムには閉じ
込められています。

  さて、このPeter Broderick が4月に来日するとの情報を入手しました。 ベルリン
出身のピアニストNils Frahm との共演でのコンサートが全国6ヶ所で行なわれます。
東京は2回ですが、それ以外に金沢、富山、京都、大阪でのコンサートが予定されて
います。 いずれも小さな、そして個性的な会場で行なわれるようですが、ふたりの
ピアノの響きを肌で感じることができることでしょう。 詳しくはこちらのサイトを参照
してください。

http://www.cotelabo.com

  アルバムのラストは、極めて内省的なギターの弾き語りで締めくくられるのです
が、そのタイトルが「Hello To Nils」というもの。 歌詞に Nils Frahm のことは出て
来ないのですが、彼との出会いのことを歌っているのでしょう。 抑制された愛情が
ひしひしと伝わってきました。 ライブで聴いたら、鳥肌ものでしょうね。 


How They Are

How They Are

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Hush Records
  • 発売日: 2010/09/14
  • メディア: CD



CAKE [USA]

   CAKE、実に 6 年ぶりの 6 枚目がアメリカのビルボードのチャート1位になった
という驚くべきニュースを耳にしました。 ところが、その枚数が 1 週間で 4 万 4000
枚だったそうで、アメリカのパッケージ市場の衰退のものすごさを実感しました。 その
程度の数字だったら、昔はベスト 10 にすら入れなかったでしょう。 谷間の週だったの
でしょうけど、あまりに変な目立ち方をしてしまったものです。

  その CAKE は、昨年末に apple の CM に昔の曲が使われて、その音の立ち具合
もあって、久し振りに聴いたりしていました。 この新作は、自主レーベルからの最初
のリリースということですが、彼らの作風に大きな変化はみられませんでした。
  John McRea のいなたいボーカルと、ほんわかした浮遊感、時折挿入されるトラン
ペットといった個性は彼ら独特のものです。 どこにでも転がっているようなメロディー
の「Got To Move」の田舎臭さ、つづく「What's Now Is Now」でのルーズ感など、
アルバムの中盤にいい曲が並んでいるという印象でした。 もちろん、買って損はあり
ませんでしたし、スルメのように聴くたびに味がにじみ出てくる彼らのサウンドは、アメ
リカ音楽シーンの宝かもしれません。 間違って、夏フェスにでも来て欲しいものです。

 最後に、このアルバムにこんなクレジットがありました。 ECO だとか叫ぶ前に実践
することの大切さを感じます。

 This album was written, rehearsed & recorded using 100% solar energy.
 Manufactured in USA using 100% recycled paper stock and vegetable dyes.




Showroom of Compassion

Showroom of Compassion

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Upbeat
  • 発売日: 2011/01/11
  • メディア: CD



The Morning Benders [USA]

   いろんな雑誌で2010年の年間ベストアルバムが発表されました。 Music
Magazine 誌で Paul Weller が 1 位というのには驚きましたが、こうした機会に聴き
逃した作品を知ることは、リスナーにとっていいことだと思います。

  このアルバムは、Snoozer という雑誌で 1 位となったもの。 この雑誌の熱心な
読者ではありませんが、タワレコ渋谷の試聴機で聴いてみて、即購入を決意しました。
  ジャケットのイラストがCDサイズではわかりづらいのですが、エメラルド色に輝く海辺の
風景が描かれており、季節外れですがバカンスムードにあふれた雰囲気を感じます。
  そして、サウンドもノスタルジックなもので、サンシャインポップに近かったり、ソフトロック
のように聴こえたり、ネオアコ気分に包まれたり、という感じで、総じてほんわか気分です。
感情の高まりとや衝動というものとは無縁な音作りは、ライブのときにどうなってしまうの
だろうかと思いますが、ちょうど、The High Llamas のライブはどんなものかな、と想像
するのに似た感じだと思います。 The High Llamas のライブを見たことある僕としては、
彼らよりもロウダウンな感じで、危ういものになるのではないかと思っています。 例えば、
ほろ酔いで登場したJonathan Richman みたいな感じかなあ、と。

  このアルバムが年間1位になることが音楽シーンにとっていいコトとは思えませんが、
フェイントをかけられて楽しむ余裕があるひとには、うってつけの作品かもしれません。
  僕はけっこう気に入りました。


Big Echo

Big Echo

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Rough Trade Us
  • 発売日: 2010/06/08
  • メディア: CD



Ray LaMontagne [USA]

   Ray LaMontagne のニューアルバムが出ていました。 うっかりしていて最近まで
気がつきませんでしたが、そんなんではイカンですね。
   そもそも、このブログのタイトル「Till The Sun Turns Black」は、彼のセカンド・
アルバムから頂戴したものなので、それを考えると、誰よりも早くレビューすべきなの
です。 と、言っても、それほど熱心なファンも日本には少ないでしょうし、僕自身も、もの
すごく愛聴しているわけでないので、ある程度のスピードと誠意が出ていればOKで
しょう。

  なんて、独り言のようですが、この新作は彼の 4 枚目にあたる作品。 初のセルフ・
プロデュース作品です。 また、Ray LaMontagne and the Pariah Dogs というバンド
名義となっています。 そのあたりもあってサウンドが大きく変容しているのかと思い
ましたが、予想したほどのことはありませんでした。 バンドとしてのアレンジは、あく
までもしっとりとまとめられ、そもそも Ray LaMontagne が持っているグリニッジ・
ビレッジ周辺の空気感はそのまま保たれていると思いました。 個人的な好みとし
ては、「Like A Rock & Roll Radio」のような静けさをたたえた曲がいいですね。 
タイトルからは思いもつかない、秋の夜長のような静寂感です。 ペダル・スティールを
多用した曲が多いわりには、カントリー・テイストを感じさせないところは、さすが都会派
SSW のなせる技です。 なかでもタイトルもユニークな「New York City's Killing Me」
が最高です。 

  このような地味なアルバムですが、アメリカではビルボード・チャートでは初登場 3 位を
記録しています。 にわかに信じがたいことですが、こうした良心的で不変性を持った
音楽が支持されることは素晴らしいですね。 iTunes で買いたいような音楽ではない
ので、CD が売れてチャートインしたのかもしれません。


God Willin & The Creek Don't Rise

God Willin & The Creek Don't Rise

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Red Int / Red Ink
  • 発売日: 2010/08/17
  • メディア: CD



God Willin & The Creek Don't Rise [12 inch Analog]

God Willin & The Creek Don't Rise [12 inch Analog]

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Red Int / Red Ink
  • 発売日: 2010/08/17
  • メディア: LP Record



The Flaming Lips [USA]

   Flaming Lips が昨年 iTunes 限定で発表した Pink Floyd の「狂気」のまるごと
カバーアルバム。 Flaming Lips は1枚だけ聴いたことのあるバンドで、批評家筋にも
一定の評価を得ているベテランなので、ここは信頼して購入しました。

  結論から言うと、かなり忠実にカバーしているなあという印象でした。 ややテンポ
がアップしている気がしますが、心臓のドクドク音で始まり、終わるところもきちんと
再現しています。 アマゾンのレビューなんかには、「踊れる狂気」といった表現が
ありましたが、なるほどそのとおり、という印象です。

  オリジナルの「Time」や「Money」で聴けたあの効果音はどうなっているのかと
気になる方も多いと思いますが、これはある意味映画サイトでの「ネタバレ禁止」に近い
ものだと思いますので、敢えて書きません。 というほど、斬新なアイディアがこのアル
バムにあるわけでもないのですが、こうした企画モノは自身の選球眼を楽しむものだと
思うのです。

  このアルバムを聴き終えて、オリジナルの「狂気」を聴きたくなったかといえば、
そうでもないし、むしろしばらくいいや、と感じました。 そのあたりがこの作品の妙
なのかもしれません。


Doing Dark Side of the Moon

Doing Dark Side of the Moon

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Warner Bros / Wea
  • 発売日: 2010/05/10
  • メディア: CD



Jakob Dylan [USA]

   顔がオヤジに似てきた Jakob Dylan の新作。 オヤジさんは、先月の半分くらいを
日本で過ごしていましたね。 僕が見に行った日は「風に吹かれて」を初めて演奏した
日だったみたいでラッキーでしたが、「It's All Over Now Baby Blue」のほうが聴きたか
ったかな。

  さて、そんな偉大な父を持ってしまったJakob Dylan ですが、このアルバムはそんな
重圧をまったく感じさせない傑作でした。 タイトル「Women + Country」もいいですね。
  なんといっても冒頭の「Nothing But The Whole Wide World」が最高です。 この
ほんわかした肌触り。 カントリーにまで行きそうでいかないあたりの雰囲気がたまりま
せん。 「Yonder Come The Blues」や「They've Trapped Us Boys」などもお気に
入りです。
  全体としては、初期のTom Waitsを聴いているかのようなセンチメンタルでメラン
コリックなサウンドで貫かれています。 とくに「Lend A Hand」なんかは、そっくりです。
「Smile When You Call Me That」のサビは「Jersey Girl」みたいですし。
  しかし、このサウンドづくりは、プロデューサーT-Bone Burnettの手腕でしょうか。  
ギターには、Marc Ribot が、コーラスには Neko Case が参加しているところも話題で
しょう。
  
   オヤジさんは日本のあとに韓国へは行けたのですが、中国には入国できなかった
ようです。  本人には誰がどのように伝えたのでしょうか。 そんなことを想像すると
肌寒くなってしまいますね。

   こちらの、Jakob Dylan には是非とも来日してもらいたいものです。

  
Women & Country (Dig)

Women & Country (Dig)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Sony
  • 発売日: 2010/04/06
  • メディア: CD



Jason Lytle [USA]

  そろそろ、雑誌で年間ベストアルバムが発表されはじめる時期です。
個人的にはナンバーワンは Prefab Sprout に決まっているのですが、他にも
優れたアルバムがいくつかありましたので、このブログでおさらいしておきます。

  親しみやすいメロディーと、温もりのあるサウンドでは、このJason Lytle の
ソロアルバムが群を抜いていました。 ジェイソン・ライトルという人物は、元は
パンクバンドの Grandaddy のメンバーだったようですが、もちろん、僕はその
バンドを聴いたことがありません。 なので、amazon のレビューにあるような
バンドとの比較はできませんが、そんなことは全く関係なく、楽しめる傑作だと
思います。

  バンドを解散して3年ほど期が熟すのを待って、モンタナ州に引きこもって制作
されたというこのアルバムは、どの曲も覚えやすいメロディにあふれています。
チープなシンセの音とかに、手作り感が伝わってきて、一人でシコシコ音作りを
していたことに好感を覚えます。 しかも、その土地が荒涼としたモンタナという
ところがたまりません。 人間よりもバファローのほうが多く住んでいそうなカナダ
国境の土地で作られた雰囲気が、なんとなく感じられるのです。 それは、僕の
妄想かもしれませんが...

   いずれにしてもクルマのなかでも楽しめる、オールラウンドな音楽だと思います。
少しばかりセンチメンタルなところも心に沁みますね。


ユアーズ・トゥルーリー、ザ・コミューター

ユアーズ・トゥルーリー、ザ・コミューター

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2009/08/26
  • メディア: CD



Owen [USA]

  アマゾンでジャケ買いしてしまったアルバム。 手に届いてからは予想通りの
手触りに思わずにんまりしてしまいました。 アルバムはサウンドも大事ですが、こうした
手作り感のあるパッケージも重要だと思います。

  さて、このOwen はMike Kinsella というミュージシャンのユニット名のようです。
すでにかなりの作品を発表しているのですが、僕はこの新作「New Leaves」で初めて
知りました。 購入動機は、秋のお似合いのサウンドがジャケットから予感できたから
です。

  いくつかのレビューも参考にしましたが、アコースティックで淡いたたずまいには、
円熟味すら感じることができます。 こういう音に接すると、ハイエンドなオーディオで
聴きたくなってしまうのが悩みどころ。 このアルバムでもバイオリンが流麗に入り込んで
きたり、ウッドベースの重みが心に響いたりして、ヘッドホンでは物足りない奥行きと
広がりを感じさせるのです。

 週末はいい天気で紅葉狩りにはもってこいの陽気になりそうです。 郊外の里山で
のんびりと散策していたときに、一人淋しげな森ガールを見つけたら、このアルバムを
薦めたくなります。 そんな心温まるシチューのような作品です。

 
New Leaves

New Leaves

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Polyvinyl
  • 発売日: 2009/09/22
  • メディア: CD






David Mead [USA]

   深まりゆく秋にぴったりなシンガーソングライターをご紹介します。
以前もこのブログで取り上げたことのあるDavid Mead が今年になって発表
していた新作を昨日手に入れました。 かつてはメジャー・レーベルからリリース
していた彼ですが、本作は Cheap Lullaby Records というインディーズから
のリリースです。

  名作「Indiana」で聴かせた質の高いソングライティングはそのままに継承
されていますが、この「Almost And Always」では、よりシンプルでアコースティック
な世界が展開されています。 ほぼ、ギターの弾き語りでリズムセクションはほとんど
介入してきません。 ピアノや管楽器など装飾系の楽器は時折参加してくるものの、
内省的で自身の心の深奥に向かうような楽曲が多く、BGMとして聴くも良し、スピー
カーの前で目をつぶって聴き入るも良し、という作品に仕上がっています。

  ここまで純粋で心洗われるようなSSW 作品は、近年出会うことがまれだと
思います。 若手のミュージシャンでは、こうした雰囲気だけで自己陶酔してしまう
ことがありますが、David Mead に限ってはそんなことはありません。 線の細めな
ボーカルと美しいメロディーが、いまにも壊れてしまいそうなパズルのような危うさ
を伴って存在しているのです。

  名曲ぞろいですが、あえて挙げるとすれば「Twenty Girls Ago」でしょうか。
あまりの名曲だったので、めまいがしてしまいました。


Almost and Always

Almost and Always

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Sio
  • 発売日: 2009/08/25
  • メディア: CD



Diane Birch [USA]

店頭でもなかなか目立つところにおいてある新鋭女性SSWの話題作。 キャッチ・
コピーは「キャロル・キングの再来」ということですが、そこまでの才能は感じません。
たとえるには相手が偉大すぎでしょう。

  しかし、キャロル・キングやローラ・ニーロが輝いていた1970年代前半のにおいを
継承したサウンド作りは丁寧に行なわれており、そこは好感が持てます。 曲もほぼ
水準以上の出来でしょう。 人なつっこくソウルフルな彼女の歌声が苦手という人は
まずいないはず。 ピアノを主体とした繊細な曲から、ゴスペルのように響く曲もあり
バラエティに富んで飽きさせないところも評価できます。 ラジオでオンエアされてい
ているという「Nothing But A Miracle」は、Gonna Take A Miracle へのオマージュ
なのでしょう。 ほかにもキャッチーな「Valentino」、ストリングスアレンジが叙情感
を引き立てる大作「Photograph」などは一度聴いただけで深く刻み込まれます。 

  クレジットを見ると、Lenny Kaye がギターで参加しています。 彼の名前は、今年
フジロックでパティ・スミスを見ながら、名前を思い出せないでいらいらしてしまったの
ですが、彼はパティ・スミスの盟友ともいえるベテラン・ギタリストです。 Diane Birch
のこの作品への参加は意外な感じもしますが、ここでのLenny Kaye はさほど存在感
がないので、気にする必要はありません。

  このアルバムを輸入盤で買いましたが、歌詞カードが入っていませんでした。 
できれば、歌詞は読みたかったなというのが正直なところです。



バイブル・ベルト

バイブル・ベルト

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: EMIミュージックジャパン
  • 発売日: 2009/08/05
  • メディア: CD




Bible Belt

Bible Belt

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: S-Curve
  • 発売日: 2009/04/27
  • メディア: CD



Leslie Mendelson [USA]

  ミュージックマガジンの輸入盤レビューで、渡辺亨さんが紹介していたのを
きっかけで購入したアルバム。 そこに書かれていた論調とジャケットから受ける
印象からイメージしていたサウンドとほぼ 100%合致しました。
  名前もかわいいし、ジャケットも愛くるしいので、愛聴盤になる可能性が高い
素朴なアコースティック AOR アルバムです。

  プロデュースが Rob Mounsey ということで、1970年代から80年代前半までの
良質なサウンドプロダクションが全編に貫かれており、現代の作品ではないのでは
、と疑ってしまいたくなります。 クレジットでは、Bob Mann (G)、Ralph Macdonald
(perc)、Randy Brecker (tp) などのベテランセッションマンの名前もあり、なつかしい
のですが、やはり Rob Mounsey の Wuritzer piano のクレジットが最も刺さります。
ウーリッツァーなんてわざわざ明記するところが小憎らしいですね。

   渡辺亨さんも書かれていたように、目新しさはないのですが、これからの季節
にはまさにぴったりのアルバムだと思います。 もし店頭でみつけたらジャケ買い
候補なのですが、今回はアマゾンで買ってしまいました。


Swan Feathers

Swan Feathers

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Rykodisc
  • 発売日: 2009/06/30
  • メディア: CD



Damien Jurado [USA]

  昨年リリースされた、Damien Jurado のアルバム。 買ってから数回聴いていて、
すっかり棚のオクに逃げ込んでいたのを救出しました。

  このアルバムの Damien Jurado は意外にも元気で明るいのです。 ダサい表現
ですが、1曲目の「Gillan Was A Horse」はパブロックのようなゴリゴリ感があって、
最高の出来映えです。  こんなミュージシャンだったっけ、と困惑してしまうほど
です。 とはいえ、Damien Jurado のアルバムはこれで2枚目なので、僕の聴いて
いた前作「And Now That I'm In Your Shadow」のほうが、異様に暗かったのかも
しれません。

  いずれにしても、Secretly Canadian というこのレーベルは侮れません。
Damien Jurado はこのレーベルの代表格でしょう。 フジロックとかに来てくれれば
いいのですが、日本人ファンがどのくらいいるのかを考えると、う~む...

  国内盤も出ていないし、出そうにもないのですね。 ひそかに、過去のカタログ
でも遡ってみようかと思っています。

  
Caught in the Trees

Caught in the Trees

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Secretly Canadian
  • 発売日: 2008/09/09
  • メディア: CD



Andrew Bird [USA]

アメリカは広い。

 まだまだ知らないシンガーソングライターがたくさん埋もれています。
 Andrew Bird もそんな一人。 何気なく訪れた公式サイトを見たら、すでに 5 枚もの
アルバムをリリースしているようです。  1973 年シカゴ生まれの SSW にして、マルチ・
インストルメンタリストと称されている彼について、日本語で紹介されたサイトを見かけた
ことがないので、日本ではほとんど知られていないミュージシャンだと思います。

  彼の新作「Noble Beast」を聴く機会があり、たったいま、聴き終えたところです。
ラストの「On Ho!」は、ストリングスの響きの美しいインストでしたが、彼の音楽には、
シカゴやミネソタの SSW に共通する、ある種のたたずまいを感じることができます。
  アコースティックなサウンド作りだけでなく、ストリングスや管楽器の使い方と、
アレンジには、1970 年代の音楽が幸せだった頃のにおいがするのです。

  いま、もう一回、最初に戻って聴き始めましたが、この音楽のゆとり感。 アコース
ティックにスイングするような曲では、軽快なフィドルが小鳥のように舞い、針葉樹林を
散策するような深い味わい曲もあったりします。 似ている感じでは、以前紹介した、
David Vandervelde に近い印象もあったりします。
  
  地味ながらも誠実な印象を与えるルックスの Andrew Bird ですが、こうしたミュー
ジシャンが、どんな時代にも存在するという事実に、勇気づけられる気分です。


Noble Beast

Noble Beast

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Fat Possum
  • 発売日: 2009/01/20
  • メディア: CD





Jolie Holland [USA]

  彼女のコトは全く知りませんでしたが、これが 4 枚目となる作品のようです。
テキサス出身のオルタナ・カントリー系の女性 SSW ということですが、あまり期待
せずに、聴いてみたところ、なかなかの出来だったので取り上げることにしました。
国内盤が出るのは初めてみたいです。

  このジャンルでは、大御所である Lucinda Williams の右にでるミュージシャンは
なかなか少ないと思うのですが、この Jolie Holland は、もしかすると Lucinda クラス
の大物の仲間入りができるかもしれません。
  
  ややハスキーな感じに聴こえるのは、1940年代の電話機のパーツを利用して製作
した特別なマイクロフォンで録音したからのようです。 ホントはもっとクリアな声をしている
のかもしれませんが、これにより二日酔いで喉をいためたときにしか生まれない人間味
みたいなものが伝わってきます。 

  1曲目の「Mexico City」からいきなり名曲ですが、フォークロックのいいところを抽出
したエッセンスような「Palmyra」、渋い弾き語りの「You Painted Yourself In」など聴き
所は満載。 「Your Big Hand」では、My Morning Jacket のM.Ward のギターとプロ
デュースが味わえてます。 他にもゲストに Marc Ribot などが参加しており、買って損
はないアルバムだと思います。
後半に入るにつれて、渋みが増していく感じですが、バーボンを片手にしながら、
飲めば、その渋みが染みこんできそうな気がします。


ザ・リヴィング&ザ・デッド

ザ・リヴィング&ザ・デッド

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
  • 発売日: 2009/04/22
  • メディア: CD



Mark Olson & Gary Louris [USA]

   盟友という言葉が、本当によく似合う二人。
  解散してしまった、The Jayhawaks を最後まで引っ張ったのがGary Louris 、いっぽう
途中で離脱したのが、Mark Olson なのですが、バンド解散後に、この二人がコンビを
組んで発表したのが、このアルバムです。

  サウンドは、いたってシンプルでアーシーなもの。 ふたりの名義なので、リズム・
セクションはほとんど抑制されており、Mark と Gary の朴訥としたギターとハーモニーが
堪能できる作品です。 ほんと、こんなライブを間近で見てみたいものです。 クレジットを
見ると、この二人のマネージメント・オフィスは別々の会社となっており、これを機に活動が
継続されるかどうかは微妙な気がします。 The Jayhawks の再結成、そして来日、という
奇跡を期待したいところですが。

  ちなみに、このアルバム、ジャケットの違う二つの仕様で発売されています。 僕が購入
したのは、上のほうです。 茶色く曇った背景が、まさに「Ready For The Flood」という感じ
がするからです。


  
Ready for the Flood

Ready for the Flood

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: New West
  • 発売日: 2009/01/27
  • メディア: CD




Ready for the Flood

Ready for the Flood

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Hacktone
  • 発売日: 2008/10/06
  • メディア: CD



Nick Jaina [USA]

  気になるレーベル、HUSH からリリースされたアルバムということで、購入したのは、
Nick Jaina のソロアルバム。 ニック・ジャイナ、と読むのでしょうか。
  街角でバスキングしているセピア色のジャケットで、好感度があがります。 手作りの
音楽だということが、よく伝わってきます。 
  アルバムを何回か聴きましたが、これは!というピカイチの曲はないのですが、徐々に
染み渡ってくるアレンジに、熟練したセンスを感じます。 とくに、ストリングスや管楽器の
入り方は、そのまろやかな音色もあいまって、深い味わいを残します。

  かなり強引な表現をすれば、Fairground Attraction の男性版のような印象ですが、
カラフルさはないので、そこは大きな違いです。 

  そういえば、WOWOW で以前から見たかった映画「once~ダブリンの街角で~」を
見ました。 期待していた以上に音楽が素晴らしく、DVDに記録してしまいました。 あの
映画に出ていた主人公の男女が、そろって来日していたようで、それを見に行かなかった
ことを後悔しています。


A Narrow Way

A Narrow Way

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Hush
  • 発売日: 2008/10/14
  • メディア: CD



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